エピソード1 “健康寿命120歳”に挑む!女性起業家との歩み

2023年8月26日、当院を初めて訪れたのは65歳の女性起業家。訪問看護事業を展開する傍ら、料理やテニスを趣味とする活動的な方です。担当医は西嶌暁生。

初めてお会いしたのは錦糸町の会議室で、東京スカイツリーを背にしたその姿は「活発で美しいマダム」そのもの。しかしお話を重ねる中で、60歳で独立・起業され、日本の在宅医療を発展させることで未来の子どもたちの役に立ちたいという強い信念、そして「120歳まで若々しく元気に生きたい」という覚悟を持たれていることが分かりました。

その思いに応えるべく、私たちは知識と技術を総動員し、二人三脚での治療計画をスタートさせました。


患者情報

  • 年齢:65歳
  • 性別:女性
  • ご職業:女性起業家(訪問看護支援事業)
  • ご趣味:料理、テニス
  • 当院初診日:2023年8月26日
  • 担当医師:西嶌暁生

治療期間・通院回数:

治療期間:約2年間(2023年8月〜2025年6月現在)
平均通院回数:年間4.5回(初診・経過観察含む)

実施した主な治療内容:

  1. 顔面のホクロ・イボ除去
  2. 下眼瞼のたるみ取り

初診時(2023年8月)

患者様に初めてお会いしたのは、錦糸町の会議室。東京スカイツリーを背景に、その第一印象は「活発で美しいマダム」。

しかしお話を伺ううちに、「60歳で起業し、医療を通じて社会に貢献したい」「120歳まで元気に美しく生きたい」という強い信念を持たれていることが分かりました。その覚悟に心を打たれ、私も一緒に歩む決意をしました。


顔面のホクロ・イボ除去(2023年9月上旬)

私がまず気になったのは、彼女の「ホクロ」と「イボ」です。一般的に「ホクロ」や「イボ」と言われるものでも、医学的には何種類もあります。彼女の場合は、「色素細胞性母斑症」と「脂漏性角化症」と呼ばれるものが多く、いずれも年齢と共に大きくなっていきます。

また、これらはセルフケアでは改善しない症状なので、綺麗にするためには必ず「医療」が必要になります。まずは、顔の透明感を出すアプローチ「ブライトニング」「ホワイトニング」として、CO2(炭酸ガス)レーザー治療を開始しました。

治療では、まず顔全体に40分間の表面麻酔クリームを塗布し、34Gというとても細い針で、なるべく痛みの少ないように局所麻酔注射を行っていきます。

表面麻酔

局所注射

その後、すべてのホクロ・イボをマーキングします。

治療部位のマーキング

その後、すべてのホクロ・イボをマーキングします。そして、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)で一つひとつ丁寧に除去。

CO2レーザー治療の直後

ホクロやイボの場合、過度に削りすぎると、ニキビ跡のクレーターのような瘢痕が生じてしまうことがあります。そのため、1回で完全に除去にしようと思って、過剰に削りすぎことには注意が必要です。

彼女の場合は、初回の照射後に、3カ月あけて、取り切れなかった部分に対して、再照射を行っております。彼女の場合は、1年保証のメニューだったので、再照射の場合でも追加費用はかかっておりません。

こちらが除去から2週間後、ホクロやイボがなくなったことで、顔全体の印象が大きく変化しました。

治療前

CO2レーザー治療後2週間

下眼瞼のたるみ取り(2023年9月下旬)

年齢を重ねるにつれて、多くの方が目の下に「影グマ」や「ふくらみ」といった悩みを抱えるようになります。これは、眼球周囲の脂肪(眼窩脂肪)が前方に突出してくることで生じる「バギーアイ」と呼ばれる状態で、すべての人に起こり得る加齢現象の一つです。

このような目の下のふくらみやクマは、予防やセルフケアだけでは改善が難しく、ヒアルロン酸などの注入治療やレーザー治療では大きな変化を得られない場合が多いのが現実です。根本的な改善を目指すには、外科的なアプローチが必要となります。

中でも、中高年以降で皮膚のたるみが進行している場合は、脂肪だけでなく余分な皮膚も一緒に取り除く「経皮的下眼瞼形成術(表ハムラ法)」が効果的です。これは、下まぶたの皮膚を切開して、眼窩脂肪の再配置や除去、たるんだ皮膚の引き締めを同時に行う方法です。

当院では、患者さまの負担をできる限り軽減するため、この手術を局所麻酔で実施しています。術後は当日にご自身で歩いてご帰宅いただけるほど身体的な負担が少ないのも特長です。

術前

デザインの様子

手術は、患者さんが目を覚ましている「覚醒下」で行います。手術中には、口を開けたり、上を向いたりといった動作をお願いしながら、安全かつ適切な皮膚の切除範囲を確認していきます。

静脈麻酔や全身麻酔で完全に眠ってしまうと、仕上がりの美しさにこだわる微調整が難しくなるため、当院では局所麻酔のみで手術を行っています。

なお、局所麻酔であっても、手術中に強い痛みを感じることはありませんのでご安心ください。

術中所見

術直後

経皮的下眼瞼形成術(表ハムラ法)は、治療後の満足度が高く、私自身、クマ治療の中で最も効果的かつ長く効果が続く方法だと考えています。

ただし、唯一のデメリットは、内出血や腫れなどのダウンタイムが比較的長いことです。

とはいえ、将来的に傷跡が目立つことはありませんので、ご安心ください。

術後当日の夜

術後翌日

術後2日目

術後4日目

術後5日目

術後6日目

術後5~7日目に抜糸をします。術後7日目の時点ですでに、手術による傷跡はあまり目立たず、術後1カ月目には、ほとんどわからなくなります。

術後7日目

術後1か月

術前から術後1カ月目までの経過が下記になります。

術前

術直後

術後7日目

術後1カ月

Before / After(2023年10月26日)

治療開始から約3カ月後、ホクロ・イボ除去と下眼瞼の外科治療を経た写真では、顔全体の透明感と目元の若々しさが明らかに改善されました。

初診時

当院で治療開始後3カ月

初診時

当院で治療開始後3カ月

当院での治療費は、顔のホクロ・イボ除去が税抜20万円(1年保証付き)、経皮的下眼瞼形成術が税抜50万円で、合計約70万円となります。

これまでの治療費:

  • 顔全体のホクロ・イボ除去(1年保証あり):税抜20万円
  • 経皮的下眼瞼形成術(表ハムラ法):税抜50万円

合計:約70万円(自由診療)

施術前

施術後

この若返り効果は、ヒアルロン酸注入やボトックスといった一時的な処置ではなく、彼女自身の細胞や皮膚の根本的な変化によるものです。

自由診療には、血糖値のような客観的な数値が存在しないため、どうしても主観に左右されがちです。また、費用に対する価値の感じ方は人それぞれ異なるため、今回の治療費が高いと感じるか、妥当と考えるかは、私と彼女との間で決めるべきことだと思っています。

幸い、彼女には治療結果にご満足いただき、現在も「健康寿命120年」を目指して、継続的なケアを一緒に進めています。

彼女へのオーダーメイド治療は今後も続いていきますが、今回はここまでのご紹介とさせていただきます。


その後も以下のような施術を継続し、患者様本来の雰囲気を活かした自然な若返りを目指しています:

  • 顔のくすみ・シミ除去
  • スレッドリフト(たるみ治療)
  • メソセラピー(ヒアルロン酸&ボトックス)
  • 自己脂肪由来幹細胞点滴(3回)

当院の治療方針は、短期間で集中的に取り組むのではなく、ご本人の社会的な立場やライフスタイル、時間、予算、目標に合わせて、無理のない持続可能な治療を行うことを大切にしています。

実際に彼女は、2~3カ月に1回のペースで定期的に通院されています。その都度、ご本人の希望やお悩みに応じて治療内容をご提案し、必要に応じて別日に施術を行うこともあります。あるいは、事前にオンラインでご相談いただき、受診日にスムーズに治療を行うことも可能です。

これからも、彼女の人生に寄り添いながら、長くサポートを続けていけたらと思っています。


  • 内出血、腫脹、疼痛、瘢痕、色素沈着、白斑、左右差、アレルギー反応などの可能性があります。
  • 整容的な仕上がりに対する主観的な不満が生じる場合もあります。
  • 保険診療や一般的な外科治療と同様に、あらかじめ説明される合併症も含まれます。

この先、彼女が120歳を迎えるまでの55年間、私自身も元気でいなくてはなりません。

この出会いをきっかけに、自分の健康や生活習慣についても見直すことになりました。……お酒、控えめにしていこうと思います。