発毛・育毛治療
Hair-Growth-Therapy
一人ひとりに合わせた、 オーダーメイドの発毛・育毛治療

一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療プランで、あなたの髪の悩みを解決に導きます。
薄毛とは
薄毛は男女で原因や進行パターンが異なり、それぞれ異なる名称で分類されています。
男性では「AGA(男性型脱毛症)」と呼ばれ、主に男性ホルモン(ジヒドロテストステロン:DHT)の影響により、前頭部や頭頂部の毛が徐々に細く短くなり、最終的に脱毛が進行していきます。

一方、女性の薄毛は「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼ばれ、びまん性(全体的に広がるような)脱毛が特徴です。原因には加齢やホルモンバランスの変化、ストレス、栄養不足などが関与し、特に更年期以降に増加する傾向があります。

このように、同じ「薄毛」であっても男女で発症メカニズムや症状は異なるため、それぞれに合った適切な治療が必要です。
当院が挑む毛髪再生医療
当院では、以下の治療アプローチを患者様ごとにカスタマイズし、オーダーメイドの治療を提供しています。
- 内服治療
- 外用薬
- メソセラピー(頭皮への注射)
- 再生医療(幹細胞の点滴、局所注射など)
- 栄養指導
- 生活習慣の指導
- 洗髪料の選択


最先端の毛髪再生医療への取り組み
当院所属医師のDr.長野寿人は、現在スタンフォード大学に留学し、幹細胞を用いた毛髪再生の研究を進めています。
動物実験においては、多能性幹細胞からヒトの毛を作ることが可能になっていますが、毛の種類やサイズ、コスト面などから臨床応用にはまだ課題が残されています。
当院では、自己脂肪由来の間葉系幹細胞などを応用し、再生医療の観点から毛髪再生に取り組んでいます。
皮膚オルガノイド (ミニ臓器)

引用:Lee, J., Rabbani, C.C., Gao, H. et al. Hair-bearing human skin generated entirely from pluripotent stem cells. Nature 582, 399–404 (2020). https://doi.org/10.1038/s41586-020-2352-3
薄毛のための3つの対策
- 必要な栄養素をしっかり摂る
髪の栄養素として特に重要なのは「亜鉛」と「タンパク質」です。亜鉛は細胞分裂に関与し、タンパク質は髪の主成分です。どちらも不足すると髪は細くパサつきやすくなります。過度な食事制限ダイエットを避けることも大切です。 - 頭皮へのダメージを最小限に抑える
シャンプー剤を直接頭皮に付けるのではなく、まずぬるま湯で十分に洗い流してから使用すると、少量でも泡立ちが良くなり、洗浄力が高まると同時に頭皮への刺激を減らせます。 - 薄毛家系の方は早めにAGA・FAGA治療を受ける
薄毛には遺伝要因もあるため、クリニックでの治療がおすすめです。
治療薬としては、「①脱毛を防ぐ」「②発毛を促す」それぞれの働きをするものがあります。
例えば、AGA(男性型脱毛症)治療を行う場合、「脱毛を防ぐ」薬としては、内服薬の「フィナステリド」「デュタステリド」の2種類があり、「発毛を促す」薬としては、内服薬・外用薬の「ミノキシジル」のミノキシジルがあります。
これらを併用して治療を進めますが、効果と副作用を正しく理解することが重要です。
血液検査も必要な治療ですので、個人輸入での自己治療は避けましょう。
薄毛治療の合併症
薄毛治療にはさまざまな合併症や副作用が報告されています。治療を進める際には、医師とよく相談しながら、効果とリスクのバランスを考えることが大切です。
ミノキシジルの副作用
- 頭皮のかゆみ・赤み・炎症
外用薬を塗布した部位にかゆみや発疹、赤みが出ることがあります。 - 頭皮の乾燥・フケ
頭皮が乾燥し、フケが増える場合があります。 - 多毛症(顔や体の毛が増える)
薬剤が顔や体に流れることで、意図しない部位(特に顔や首)に毛が生えることがあります。(写真参照) - 低血圧
血管拡張作用により血圧が低下し、立ちくらみやめまいが起こることがあります。 - 動悸(心拍数の増加)・胸部圧迫感
血管拡張に伴い心拍数が増加し、心臓に負担をかけることがあります。 - 浮腫(むくみ)
足首や顔がむくむことがあり、これも血管拡張作用によるものです。 - 初期脱毛
治療を始めた直後に一時的に毛が抜けることがあります。通常は1〜2カ月で落ち着きます。(写真参照)


フィナステリドの副作用
- 性欲の低下
男性ホルモンの抑制作用により、性欲が低下することがあります。 - 勃起不全(ED)
性欲減退とともに、勃起が持続しにくくなる場合があります。 - 射精障害
射精量の減少や射精そのものの障害が起こることがあります。 - 女性化乳房(男乳房症)
乳房が膨らむ、痛みを伴うといった症状が出ることがあり、ホルモンバランスの変化が関係しています。 - 肝機能障害
まれに肝機能に影響を及ぼすことがあり、肝酵素の上昇がみられる場合があります。そのため定期的な血液検査が推奨されます。 - 精液量の減少
フィナステリド使用中に精液量が減少することが報告されていますが、通常は服用を中止すると回復します。
治療費用
費用についてはこちらをご覧ください。
最後に
薄毛の治療や対策には、多くの商品やサービスが存在します。その中には過大な効果をうたうものも少なくありません。
悩まれている方は、根拠のあいまいなものに頼るのではなく、医学的根拠に基づいたクリニックでの適切な治療を受けることをおすすめします。
【コラム】
薄毛治療の歴史と現代医学
薄毛治療の歴史は古く、古代エジプトの医書『エドウィン・スミス・パピルス』にはライオンやカバ、ヘビ、ワニの脂肪を混ぜた軟膏の記録が残されています。
また、医学の祖と呼ばれる古代ギリシャのヒポクラテスも、自らの薄毛を治そうとハトの糞やアヘン、スパイスを調合した育毛剤を試したといわれています。
その後も数多くの研究が行われていますが、現在に至るまで「絶対的な治療法」は確立されていません。

ただし、男性ホルモンや遺伝、生活習慣、ストレス、血行不良などが薄毛に大きく関与していることは明らかになっています。
特にAGAでは、男性ホルモン(テストステロン)が毛根に作用し、脱毛因子「TGF–β」が産生されることで毛髪の成長が阻害されます。母方の遺伝の影響も強いとされ、祖父や曽祖父が薄毛であれば、そのリスクは高まります。
さらに、ストレスや頭皮の汚れ、睡眠不足、冷え性、貧血なども薄毛の進行に関与します。
このように薄毛の原因は一つではなく複雑に絡み合っています。だからこそ、正しい知識と適切な医療のもとで治療を行うことが重要です。