スレッドリフト治療
Thread lift
切らずにたるみにアプローチする「スレッドリフト」

たるみが気になり始めた方へ。糸で引き上げ、自然な若々しさを叶える「スレッドリフト」。
スレッド(糸)リフトとは
スレッドリフトは、加齢によって目立ちやすくなるフェイスラインのぼやけや頬のたるみに対して、切開をせずに糸でリフトアップする低侵襲の治療です。
特殊な構造を持つ医療用の糸を皮下に挿入することで、
- 糸の力で皮膚や組織を物理的に引き上げる
- コラーゲン生成を促して肌のハリや弾力を高める
この2つの効果により、即時的なリフトアップと中長期的な肌質改善の両方が期待できます。

当院では、顔全体のバランスや皮膚の状態を丁寧に診察したうえで、糸の種類・本数・挿入方向を調整するオーダーメイド治療を行っています。自然で違和感のない仕上がりを重視し、ダウンタイムも最小限に抑えるよう配慮しています。

スレッド(糸)リフトの治療の流れ
1.カウンセリング・診察
まずは医師による丁寧なカウンセリングを行います。患者様の気になる部位やお悩み、希望する仕上がりイメージを伺い、顔全体のバランスや皮膚の厚み、たるみの程度を診察します。
そして、最適な糸の本数・挿入方向・種類をご提案し、リスクやダウンタイムについてもご説明いたします。

2.デザイン・マーキング
施術当日、鏡でご確認いただきながら、リフトアップしたい方向やリフトラインをデザイン。
皮膚の動きやフェイスラインを考慮し、糸の挿入部位にマーキングを行います。

3.麻酔
局所麻酔(場合によってはクリーム麻酔を併用)を使用し、痛みや不快感を最小限に抑えた状態で施術を行います。

4.スレッド挿入
極細のカニューレ(鈍針)や専用の針を用いて、皮膚の下(皮下組織またはSMAS層)に糸を挿入します。
糸の種類には、トゲ(コグ)がついた吸収糸や非吸収糸などがあり、リフト効果・持続期間に応じて選択されます。挿入後、糸を引き上げてフェイスラインや頬の位置を調整し、バランスを整えます。


5.仕上がり確認・終了
鏡で仕上がりをご確認いただき、問題がなければ施術終了です。施術後はすぐにご帰宅いただけますが、軽度の腫れやつっぱり感が数日〜1週間程度続く場合があります。

6.アフターケア・経過観察
治療後の注意点や日常生活での制限(強い表情筋運動・マッサージ・うつぶせ寝など)についてご説明します。
患者様の希望や都合にもよりますが、当院では術後1~2週間目、1カ月目、3カ月目、6カ月目に診察をさせて頂き、経過をチェックすることが多いです。

手術時間の目安
施術時間:約60分
※表面麻酔の有無や、スレッドの本数、範囲によって変動します。
当院の4つのこだわり
①スレッド(糸)リフトの適応を正しく判断する
スレッド(糸)リフトは、メスを使わずにたるみを引き上げる効果的な治療法ですが、すべてのたるみに効果があるわけではありません。患者様ごとの肌質・たるみの程度・皮膚の厚み・年齢・骨格などにより、効果が期待できるかどうかが大きく異なります。
スレッドリフトは、軽度〜中等度のたるみに対して最も効果的です。重度のたるみや皮膚の余剰が多い場合には、糸だけでは十分にリフトアップできず、期待した効果が得られません。こうしたケースでは、フェイスリフト手術や他の治療との併用が必要です。
適応外の状態にスレッドを挿入すると、引きつれ感・皮膚の凹み・左右差・不自然な表情などが生じるリスクが高まります。また、皮膚の薄い方や脂肪の少ない方に対して、浅く挿入したり、強く引き上げると、表面に糸の輪郭が浮き出ることもあります。
②過度な期待は要注意
スレッドリフトは、皮膚を切開するフェイスリフト手術とは異なり、皮膚の切除や筋膜(SMAS)の処理を行うことはできません。そのため、リフトアップ効果は軽度〜中等度のたるみに対して限定的であり、重度のたるみに対しては他の治療法との併用や、外科的手術が適している場合もあります。
また、当院では安全性と自然な仕上がりを重視し、吸収性の医療用スレッドを使用しております。これらの糸はおよそ1〜2年かけて体内に吸収されていきますが、その過程で皮膚内部にコラーゲンの生成を促す作用があり、肌のハリや弾力の維持に寄与することが期待されます。
スレッドリフトは、手術に抵抗がある方や、自然な変化を求める方に適した低侵襲の若返り治療ですが、あくまで限界のある治療法であることを正しくご理解いただくことが重要です。
③解剖学的特徴や症状に合わせたオーダーメイド手術
スレッドリフトの効果を最大限に引き出すためには、確かな技術と解剖学的知識が不可欠です。
スレッド(糸)リフトの効果を十分に発揮させるためには、ただ闇雲に糸を挿入するのではなく、顔面の解剖学的構造や、患者様ごとの顔立ち・皮膚の特性を十分に考慮した施術計画が重要です。
たとえば、顔面には皮膚と深部組織(骨や筋膜)を垂直方向に連結する支持靭帯(リガメント)が存在します。これらのリガメントの位置・強度・走行層を正確に把握した上で、糸の挿入層・方向・テンションを適切に設計・施術することが、自然で持続性のあるリフトアップ効果を得る鍵となります。
この点において、日常的に顔面の構造を扱い、手術経験を積んでいる形成外科専門医は、解剖学的知識と技術に基づいた、より精度の高い・安全で効果的な治療の提供が可能だと考えています。
④スレッドリフト × 他の施術による「ハイブリッド型たるみ治療」
前述の通り、スレッド(糸)リフトは、たるみ治療として有効な手段の一つですが、決して万能な治療ではありません。症状の程度やお顔立ちによっては、単独では十分な効果や満足感が得られにくいケースもあります。
しかし、他の治療法と組み合わせることで、相乗効果が期待できるのもスレッドリフトの大きな利点です。
たとえば、ヒアルロン酸注入によるボリューム補正や、必要に応じてフェイスリフト手術と併用することで、それぞれの治療のメリットを最大限に活かしながら、単独では補えない部分を相互に補完することが可能になります。
当院では、患者様のご希望やお悩み、ご予算、通院可能なスケジュールなどを丁寧に伺ったうえで、一人ひとりにとって最も安全で現実的な治療プランをご提案しております。過度な治療を避け、無理なく続けられる、納得度の高い医療を目指しています。
合併症・ダウンタイムについて
内出血
内出血を起こす可能性がありますが、2 週間程度で自然と消失することが多いです。
つっぱり感・違和感
治療後、部分的な皮膚のへこみ、ひきつれ感やつっぱり感が生じたり、口を動かした際などに痛みや違和感を感じることがあります。
数週間から1か月程度で馴染むことがほとんどですが稀に残存することがあります。
感染
針穴が塞がるまでの間に髪の毛や皮膚常在菌が入り込むと、感染を起こす可能性があります。その際は、抗生剤で治療を行います。
糸の露出
皮膚や皮下脂肪の薄い方は、糸の先端が皮膚または口腔内に露出することがあります。
糸の感染や露出が見られた場合は、皮膚に小切開を加え感染部分や露出部分を抜去する場合があります。
治療費用
当院のスレッド(糸)リフトの治療費用はこちらをご覧ください。