第12回日本臍帯プラセンタ学会総会2025に参加してきました。
~UPAおよびNAD+の現状と今後~
こんにちは。銀座こもれびクリニック院長の西嶌暁生(にしじま・あきお)です。
本日、品川で開催された「第12回日本臍帯プラセンタ学会総会2025」に参加してきました。本会は発足以来、今回で12回目の開催となります。
今回のプログラムでは、
- 自由診療と法律
- UPA(臍帯・胎盤・羊膜エキス)の年間報告
に加えて、大日向玲紀先生による「NAD+補充による睡眠障害患者における睡眠改善効果の観察研究」の基調講演を拝聴しました

■UPAとは
UPAとは、臍帯(Umbilical cord)・胎盤(Placenta)・羊膜(Amnion)の頭文字を取った名称で、これら3つの子宮付属器から抽出された混合エキスです。
「UPA」は「ユーピーエー」とも、「ウーパ」とも呼ばれています。
日本臍帯プラセンタ学会および日本臨床研究安全評価機構(倫理審査委員会)で承認された医師および医療施設のみが取り扱うことができます。
●UPA療法とは
UPAに含まれる有効成分を注射などで体内に補い、
- 疾病の治療
- 予防
- 美容
を目的として用いる治療法です。
UPAには以下のような作用が期待されます。
- 新陳代謝の促進
- 自律神経・ホルモンバランスの調整
- 免疫力・抵抗力の向上
さらに最近では、整形外科領域での鎮痛効果が報告されており、研究が新たなステージに進みつつあります。
■プラセンタの整形外科領域での活用
今年(2025年1月)「BMC Musculoskeletal Disorders」に掲載された論文では、肩インピンジメント症候群患者に対し、肩峰下へプラセンタを注射することで疼痛が軽減したという報告が出ています。

論文情報:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11697622/
■UPAが優れていると言われる理由
UPAには次の3つの特徴があります。
- 非加熱滅菌のため、生理活性物質がより活きている
- 既存のプラセンタエキスを上回る栄養素が含まれる
- 臍帯・胎盤・羊膜の3部位すべての栄養素を含有
プラセンタより高い効果が期待され、今後の臨床応用が注目されています。
UPA療法に関心のある方は、当院までお気軽にご相談ください。
お問い合わせ先:https://komorebiclinic.net/online-booking/
■NAD+療法の最新知見
大日向玲紀先生による、「NAD+補充による睡眠障害患者における睡眠改善効果の観察研究」では、NAD+の筋肉注射により、睡眠障害の患者に対して改善傾向が認めたと報告されました。
これまでNAD+は、
- 慢性疲労
- アルコール依存症
などに対するエビデンスはありましたが、睡眠に関する国内の臨床研究は今回が初めてです。
●睡眠障害と社会的背景
現在、国民の5人に1名は睡眠障害であり、65歳以上の場合は、3人に1名にまで増えると言われています。
一方で、睡眠薬(特にベンゾジアゼピン系)の長期使用は、認知症リスクを高める可能性が指摘されています。
また、依存や耐性が生じる可能性もあるため、慎重な使用が必要です。そのような中で「NAD+」や「NMN」が睡眠障害の患者さんの選択肢の1つになることは、喜ばしいことだと考えます。
●なぜ注射が有効なのか
NAD+は消化管で分解されやすく、経口投与では十分なバイオアペイラビリティ※(bioavailability)が得られないという特徴があります。
そのため、筋肉注射・皮下注射・静脈注射などの方がより高い効果を期待できます。
(※バイオアペイラビリティ:投与した薬が、どれくらいの量、全身循環(血中)に到達して実際に効く状態になるかの指標)
■当院の睡眠改善プログラム
これらを踏まえて、当院では以下の2つを組み合わせ、睡眠薬を使わない睡眠障害治療を提案しています。
- NMNサプリメントによる12週間の内服治療
- NAD+の筋肉注射
副作用を抑えつつ、より自然な形で睡眠の質を整えたい方に適した治療です。
睡眠でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
お問い合わせ先:https://komorebiclinic.net/online-booking/
今後も、正しくて新しい知見をベースに、より患者様への健康的な負担が少ない治療法を日々、模索していきたいと思います。


