毛髪再生医療
女性や男性の毛髪の悩みを、内服・栄養・再生医療を用いて治療します。
1.薄毛治療の歴史
男性でも女性でも薄毛で悩む方は多いです。薄毛治療の歴史は古く、なんと古代エジプトの外傷手術に関する書物『エドウィン・スミス・ パピルス』にも、その記録が残されています。
当時はライオンやカバ、ヘビ、ワニなど動物の 脂肪を混ぜた軟膏を使っていたとか。〝医学の祖〞と呼ばれる古代ギリシャの賢者・ヒポクラテスも自身の薄毛に悩んでハトの糞やアヘン、セイヨウワサビやスパイスを調合したオリジ ナル育毛剤を発明したといわれています。が、残念ながら効果のほどまでは伝わっていません。
以降も現代に至るまで数多くの研究がされてきているものの、いまだに絶対的な対策や治療は確立されていません。ただ、男性ホルモンが深く関係していること、母方の家系の遺伝を強く受けること、生活習慣がもとで薄毛になる場合もあることなど、徐々に明らかになってきたこともあります。
男性ホルモン型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)の原因
男性ホルモンであるテストステロンが毛根にある毛母細胞に達すると毛髪の発育を抑制する遺伝子が働き、「TGF-β」という脱毛因子が作られます。テストステロン自体は薄毛の直接的な原因ではありませんが、ホルモン受容体や変換酵素の活性が高い人は脱毛因子が作られやすく、薄毛につながります。
また、遺伝、それも母方からの遺伝が深く関係するといわれています。母方の祖父や曽祖父などの男性に薄毛の人が多ければ、自分もその可能性は高くなる││といって、父方の遺伝が無関係というわけではなく、父方が薄毛家系の場合も、そうでない人に比べれば薄毛のリスクは高くなります。
女性男性型脱毛症(FAGA:Female Androgenetic Alopecia)の原因
薄毛は男性よりもむしろ、女性の方が深刻な悩みです。FAGAはAGAのように局所的な脱毛が起こるわけではなく、頭部が全体的に薄くなっていくという特徴があります。このような症状は主に40〜50代頃の壮年期に起こり、髪の分け目が薄く見えるという悩みで来院される方が多いです。FAGAの原因は多岐に渡ります。
・更年期、加齢、出産などによるホルモンバランスの乱れ
・過度なダイエットや不摂生、偏食による栄養不足
・持続する精神的、肉体的なストレス
・鉄欠乏性貧血、膠原病、甲状腺機能低下症、抗癌剤治療、円形脱毛症などの疾患
・睡眠不足
・経口避妊薬(ピル)の内服を中止した際の離脱症状
生活習慣による薄毛
脱毛因子や遺伝以外のリスク要因としては、ストレスや血行不良、頭皮の汚れなどが挙げられます。ストレスが溜まると自律神経が乱れて血行が悪くなりますが、毛根は頭皮の血液から栄養を補給している為、血行不良はそのまま脱毛の原因になります。また、毛穴にたまったフケや皮脂が紫外線などの影響で酸化しても、毛根が炎症を起こし、毛母細胞が死んでしまうことで薄毛につながります。さらには冷え性や貧血、睡眠不足など、薄毛には様々な原因があるのです。
当院での薄毛の対策・治療
①必要な栄養素をしっかり摂る
AGA対策として最も重要なことは「十分な栄養を摂る」ことです。過度な食事制限ダイエットなどは薄毛を進行させてしまう恐れがあります。特に「亜鉛」や「タンパク質」は重要な栄養素です。亜鉛は細胞分裂に深く関わる成分で、新陳代謝が活発=細胞分裂が激しい器官ほど、不足したときの影響は大きくなります。そのため髪の毛や爪は、亜鉛不足の悪影響をもろに受けてしまうのです。
また、髪は主にタンパク質からできているので、タンパク質が足りなければ丈夫な髪は生えてきませんし、どんどん細く、パサついた毛になってしまいます。また、亜鉛は肝臓でのアルコール分解に使われるので、その役割にまわしすぎると、薄毛を進行させてしまいます。喫煙は髪にとっても有害です。タバコを吸うことで末端の毛細血管が細く締まってしまうため、毛根のすみずみにまで十分に栄養を行きわたらせることができなくなるのです。
②頭皮に優しい洗髪剤を選ぶ
シャンプー剤はさまざまな商品であふれていますが、頭皮へのダメージが極力少ないものを選択したいです。理想は純せっけんでの洗浄ですが、髪がゴワゴワになってしまうため実用するのは難しいです。例えば、下記のような名称のつく成分は頭皮にダメージを与えやすいので注意が必要です。
・名前の最後に「〜硫酸ナトリウム(Na)」とつく……「ラウリル硫酸ナトリウム」など
・名前の最後に「〜クロリド」とつく……「ベンザルコニウムクロリド」など
・名前の最後に「〜ベタイン」とつく……「コカミドプロピルベタイン」など
・名前の最後に「〜グリセリル」とつく……「ステアリン酸グリセリル」など
・名前の最初に「PEG/PPG」とつく……「PEG-60水天ヒマシ油」など
またシャンプー剤の使いすぎは頭皮への刺激となる可能性も。シャンプー剤をいきなり頭皮につけるのではなく、まずは頭皮をぬるま湯で十分にぬらし、落とせる汚れは落としておきます。そのあとでシャンプー剤を使うと、少量でも泡立ちが格段によくなり、洗浄力も飛躍的にアップします。
③内服治療、注射治療
①や②だけでは改善が見込めない薄毛家系の人には内服および注射の治療をおすすめします。科学的に効果が認められた薬品を使用することで効率的に脱毛の進行を遅らせたり、新しく発毛させたりできる可能性があります。ただし、セルフケアに比べると効果が高い分、副作用が生じる可能性も高いので、治療前や治療中は定期的な血液検査が必要となる場合があります。
1)脱毛を防ぐ薬
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診察ガイドライン2017年版」では、男性型脱毛症において「推奨度A(行うよう強くすすめる)」とされている内服薬です。AGA治療の一般薬としてよく耳にする「プロペシア」は、フィナステリドを主成分としています。一方のデュタステリドについては、フィナステリドよりも勃起機能障害(ED)や射精障害の副作用が生じる頻度がやや高いといわれています。ただし、この治療薬は女性には使用できません。
2)発毛を促す薬
ドラッグストアでよく見る医薬品『リアップ』は、ミノキシジル配合の外用薬として知られています。もともと高血圧の治療薬として開発されたミノキシジルですが、現在では発毛の促進や抜け毛予防の効果があるとして認知されています。おもな副作用としては、初期脱毛、むくみ、頭痛、性欲減退、不整脈など。内服薬は外用薬タイプよりも吸収率が高い一方で、肝臓で分解されたのち血流にのって全身に行きわたるので、副作用の発生率も高いとされていますが、進行したAGAやFAGAの治療には内服薬が必要です。むくみなどの合併症は筋肉量の少ない女性の方がでやすい傾向にあります。
3)毛髪再生医療
幹細胞培養上清液の頭皮内あるいは点滴投与を行います。幹細胞を培養し、幹細胞が活性化する過程において、何百種類もの因子(エクソソーム、成長因子、免疫調整因子、神経再生因子など)が放出されます。このサイトカインや成長因子を豊富に含むものが幹細胞培養上清液です。老化などで衰えた毛母細胞や毛細血管を活性化することで薄毛を改善する可能性があります。
4)女性の薄毛(FAGA:Female Androgenetic Alopecia)
女性の薄毛は男性よりも治療が難しいことが多く、上述した治療を総合的にカスタマイズして提案します。また、女性の場合はホルモンバランスの乱れが薄毛につながっていることも多いので、それらを整えるためにプラセンタの内服や注射をご提案することもあります。投与したプラセンタが血液によって全身へ運ばれ、ホルモンバランスが整うことで頭皮の新陳代謝の促進や頭皮環境の改善が期待できます。
治療価格
薄毛カウンセリング | 5,500円 |
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薄毛 血液検査 初回 | 7,500円 |
薄毛 血液検査 2回目以降 | 5,500円 |
ミノキシジル 2.5mg 1ヶ月分 | 11,000円 |
ミノキシジル 5mg 1ヶ月分 | 11,000円 |
ミノキシジル 10mg 1ヶ月分 | 11,000円 |
フィナステリド 1mg 30錠 | 11,000円 |
プラセンタ 30カプセル | 11,000円 |
亜鉛(プロマック) 60錠 | 7,500円 |
不死化ヒト歯髄幹細胞培養液を用いた毛髪再生医療 | 点滴
1バイアル 55,000円 水光注射(麻酔代込) 1バイアル 71,500円 3バイアル以降1バイアルあたり 38,500円 |