栄養はアンチエイジングの基本

食事はアンチエイジングの基本であると同時に最も大切な要素です。もちろん、食事は味覚や触覚、嗅覚などの五感を刺激して人の心を癒す効果もありますが、一番重要なことは「必須栄養素の補給」と「炭水化物量の調節」です。

現代の日本においては、食生活の欧米化や、食品添加物・保存料・農薬・化学肥料などの過剰使用により必要な栄養素を食品から十分に摂取できておりません。

事実、クリニックで約70項目の解析を行うと9割以上の人が「隠れ栄養不足」と診断されます。

また、過去20年以上のアンチエイジングの研究における一致した見解は、「カロリー制限」が老化防止に役立つということです。

これは微生物から霊長類まであらゆる生物において一貫しています。厳しい自然界において生存することが課題の生物は、飢餓に対して様々な防御機能を備えています。しかし、自然界において飽食は想定外のため、過剰な炭水化物(糖質)の摂取には無防備で老化が加速してゆきます。

栄養不足や糖質過剰で肌・体の老化は加速される

体は食べた栄養によって作られます。栄養は脳や肝臓などの重要臓器から優先的に補給され、皮膚や髪の毛は後回しになります。そのため、十分な栄養が行き渡っていなければ肌や髪の毛の状態は悪くなり、「皮膚は内臓と心の鏡」と呼ばれる所以でもあります。

例えば、野菜だけにするなどの極端な食事制限をすると皮膚は乾燥してシワが深くなり、免疫力や角質のバリア機能は低下します。その結果、自身のオーラを失い、老け顔になります。

また、現代人はミネラル不足も深刻です。ミネラルは基礎代謝や新陳代謝、エネルギー代謝を促し、体の機能や組織を調節・強化し、心身のバランスを正常に保つ大切な栄養素です。すなわち、肌・体の老化を加速させない秘訣は必要な栄養素の十分な補給なのです。

それと同時に、エネルギーの源である炭水化物(糖質)の摂取量の適正化です。炭水化物自体はエネルギー源ですので、毒でも薬でもありません。

一流のアスリートは１日あたり5,000〜10,000kcalを摂取しますが、それを運動で消費してしまうため、害がないばかりか激しい運動を支えるために必要なものです。

しかし、一般人は年を取るに従い運動量が低下し、基礎代謝も低下しますから、それに応じて炭水化物つまり糖質の摂取量を調節する必要があります。その結果余った糖質は、内臓脂肪の蓄積・耐糖能障害・糖尿病などのメタボリックシンドロームを誘発し、健康を害し老化を加速して行きます。

栄養評価について

必要な栄養素を摂取せず、質の悪い糖質(甘いもの)ばかり摂取することは、美容と健康を害し、老化を加速する最たるもので、正しい栄養摂取は健康維持と老化防止に必須と言えます。

しかし、医学界においても栄養の評価方法は様々で、単純に検査値の絶対値で評価することもあれば、複数の数値を総合的に評価することもあります。どれが正しくて、どれが間違っているということはなく、様々なアプローチ方法があるということです。医師や栄養士、患者自身の好みやライフスタイルにより評価方法は異なります。

当院での評価方法

当院では血液検査の結果と日々の食事内容の問診から栄養評価を行います。血液検査の結果は各種の公開データを利用して、性別や各年代でそれぞれの適正値を算出し、患者さんの条件に当てはめて評価します。

例えば、「50代男性」と「70歳女性」では条件が異なりますが、過去の健康人のデータからそれぞれの適正値を算出して比較します。なお、当院で血液検査を受けなくても、普段、皆様が受けている検診結果からもある程度の解析は可能です。

また、食事内容の聴き取りから、食物に片寄りがないか、糖質の摂取量に過不足がないかを評価して行きます。さらに、運動量が足りているかどうかも検討します。

当院での指導および治療

基本的に生活習慣の改善・工夫から提案させて頂くことが多いです。食事、運動、入浴法、睡眠、デジタルデトックスなど、患者様のライフスタイルや希望に合わせて提案します。

ただし、それだけでは十分でない場合は期間を限定してサプリメント、点滴、内服などを提案します。3ヶ月に1回程度の血液検査により経過をチェックしていきます。

治療の流れ

治療費用（税込）