本治療の特徴

ポリ-DL-乳酸(PDLLA)と呼ばれるコラーゲンブースターにより、自分自身の細胞を刺激してコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進することで、自然なアンチエイジングを実現します。

効果の持続は1年半〜2年と長めで、自身の細胞を活かしたナチュラルビューティーを目指す方におすすめです。当院ではジュベルック（Juvelook）とレニスナ（LENISNA）を採用しています。

期待できる効果

特に、目の下のクマ、目の上の凹み、頬やテンプルの凹み、法令線、マリオネットライン、首のシワ・たるみに効果的です。

ポリ-DL-乳酸(PDLLA)とは

ポリ乳酸（Poly Lactic Acid：PLA）はバイオプラスチックの１つですが、化学構造を変更することでPLLAやPDLLAなどの複数のタイプのPLAに分類されます。その中でも、ポリ-DL-乳酸(PDLLA)のポリマーは分子鎖の立体構造がPLLAポリマーと異なるため、物性がよりソフトで分解期間が短いのが特徴です。

ポリ-DL-乳酸(PDLLA)の原料や成分特徴

ポリ乳酸（PLA：Poly-lactic acid）の原料はトウモロコシなどのデンプンから抽出した100％天然エキスを活用してラクチド酸にし、重合（Polymerize）により生成されています。

バイオプラスチックの1つで化学構造により複数のタイプに分類され、生体的適合性に優れており、アメリカ食品医薬品局（FDA：Food and Drug Administration）で人体への使用が承認されている物質です。医学の世界では縫合糸などにも使用さています。

その中でも、今回の治療で使用するポリ-DL-乳酸(PDLLA：Poly-DL-Lactic acid）は物性がソフトで分解期間が短いのが特徴です。当院で採用した製品はジュベルック（Juvelook）とレニスナ（LENISNA）で、高品質なバイオマテリアルです。

＜成分のまとめ＞

ポリ-DL-乳酸(PDLLA)の作用機序

ポリ-DL-乳酸(PDLLA)はコラーゲンブースターとも呼ばれ、線維芽細胞などを効果的に刺激することでコラーゲンの生成が促進されます。また、自身の細胞を活性化するため、自然なシワの改善と肌の若返りが期待できます。

同じようにシワや凹みの改善にヒアルロン酸を使用することがありますが、ヒアルロン酸よりも馴染みやすく自然な若返りが期待できます。ただし、ヒアルロン酸は直後から最大効果が出るのに対し、ポリ-DL-乳酸(PDLLA)はコラーゲンの生成に時間がかかるので、効果がでるまでに時間がかかります。

PDLLAとPLLAの作用の違い

よく比較される成分として、L-ラクチドから得られるポリ-L-乳酸（PLLA）があります。PLLAはクリスタルの形をしており、水に触れると加水分解しながらクリスタルの粒子が細かく破片のように剥がれていきます。

ところが、これが組織周辺で強い酸性を帯びるため炎症反応がより激しくなり、その結果として組織内の酸度が高まり、粒子が細胞に付着しにくい環境を作ります。そのためPLLAが組織に入ると強い酸を吐き出し、組織ではこれに対する反応として組織内でGiant Cell（巨細胞）とカプセルを作る現象が起こります。その結果としてボリューム効果と再生効果を与え、肌を改善する用途として使えますが、安全に使用するために深く注入しなければなりません。

一方、PDLLAの場合は、写真でも解るように円形の網状構造をしており球形内部でも分解が起き、内部からも乳酸が溶け出します。但し、乳酸の出る量は多くはなく、酸の濃度も高くないため強い拒絶反応は起こりません。これはPDLLAの長所であり、短所でもあります。

コラーゲンブースターの理想的な条件

①酸性による肌へのダメージを最小限に抑える。

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②異物反応（好転反応）を適切に起こす円形の構造。

角ばった外形だと異物反応が過剰になりやすく副作用の原因となるが、円形で内部構造が網状構造だとコラーゲンブースターとしての持続期間も長くなるため。

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③粒子サイズは小さすぎるとマクロファージが粒子をすぐに除去してしまい、大きすぎると異物感や合併症のリスクが上がる。適切なサイズは20〜50μmであり、持続期間は長すぎないように1年から1年半未満。

ポリ-DL-乳酸(PDLLA)による治療方法

＜ジュベルック（Juvelook）＞

ジュベルック（Juvelook）は粒径の平均サイズが24㎛ (最大34㎛)であり、全顔、首、 デコルテ、肌質改善、毛穴縮小、シワ、肌トーンを明るくする、赤ら顔の改善などに使用します。

注入層は真皮層です。使用する場合は、非架橋ヒアルロン酸を攪拌（かくはん）して、シリンジ注射や水光注射等を用いて目的とする部位の皮内・皮下に注入します。注入する際は針による痛みがあるので、広範囲に注入する場合は、施術前に表面麻酔を20〜30分程度行います。

＜レニスナ（LENISNA）＞

レニスナ（LENISNA）は粒径の平均サイズが51㎛ (最大81㎛)であり、ジュベルック（Juvelook）に比べると平均27㎛大きくなります。使用する場合は、頬、法令線、マリオネットライン、テンプル、首など集中的にボリュームを出したいところにカニューレあるいは鋭針で注入します。顎や目周りに注入する場合は、注意が必要です。

＜治療頻度と持続期間＞

いずれも、1〜2ヶ月おきに3回施術し、その後は経過をみながら約1〜2年おきに繰り返します。持続期間の目安は、ジュベルック（Juvelook）が12〜16ヶ月、レニスナ（LENISNA）が18〜24ヶ月です。

合併症

針を刺した時に内出血ができる可能性がありますが、1週間程度で消退します。

10.　費用

ジュベルック（Juvelook） ※水光注射	2ml 71,500円
レニスナ（LENISNA)	2ml 55,000円 6ml 132,000円